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新潟県中越地震における管路の被災状況 |
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1. はじめに
当協会では、新潟県中越地震が発生した翌月に調査委員会を設置し、当協会の北陸支部を中心に管路の被害調査を行いました。
調査は、11月中旬より翌1月中旬にかけて被害の大きな中越地区の27市町村に対して行い、調査方法はヒヤリングと現地確認で行いました。 |
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液状化により、管路埋め戻し部の沈下 |
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液状化により路面の沈下
噴出した土が確認できる |
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2. 調査結果
調査は、ヒューム管、塩ビ管、マンホールについて行っています。
震度7の川口町では、ヒューム管のB形管350mm及び450mmが幹線として使用されていますが、一部マンホールとの接続部で破損が発生している程度で大きな被害はありませんでした。一方塩ビ管は液状化による被害を受け、マンホールが浮上る状況が確認されています。
また、震度6強の小千谷市では、B形管450mmがマンホールの浮上に伴う目地ズレ等が発生しましたが、ヒューム管の被害は川口町同様に大したものではありませんでした。
塩ビ管及びマンホールは、液状化による被害を受けていました。
全体を通してみてみると、管きょの被害状況は、基本的には、種々の報告と差異はありませんが、この調査結果から次のことがいえると思われます。
(1)各市町村の震度計の設置位置により一概には言えないものの、「震度5強」を越えると管路の被害が大きくなっている。
(2)それぞれ布設されている管路の総距離数の違いはあるが、塩ビ管に比較するとヒューム管の被害は大変少ない。
(3)推進管の被害は殆どない。(推進管の被害が少ないことは管種には関係ない)
ヒューム管の被害は推進管を含めて概ね安定しており、例え被害が発生しても「大したことはない」との評価を受けています。 |
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被害状況 |
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震度 |
調査市町村数 |
被害のあった市町村数 |
市町村数 |
内訳 |
ヒューム管
使用市町村 |
塩ビ管
使用市町村 |
ヒューム管 |
塩ビ管 |
7 |
1 |
1 |
1 |
0 |
1 |
6強 |
2 |
1 |
2 |
1 |
2 |
6弱 |
9 |
8 |
9 |
3 |
8 |
5強 |
6 |
6 |
6 |
1 |
6 |
5弱 |
8 |
7 |
8 |
1 |
2 |
合計 |
26 |
23 |
26 |
6 |
19 |
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震度7 川口町 マンホール周囲の沈下 |
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震度6強 小千谷市 マンホール周囲の沈下 |
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震度6強 小千谷市 埋め戻し土の沈下 |
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震度6弱 長岡市 塩ビ管継手破壊 |
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震度5弱 見附市 推進管 異常無し |
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震度5弱 柏崎市 歩道の波打ち |
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3. 見掛け比重と液状化
液状化による管の浮上は、管の見掛け比重の違いに起因することは、既に報告されています。(月刊下水道Vol18 No12)
釧路沖地震と北海道東方沖地震での液状化による下水道管路の被害調査では、小口径のヒューム管の被害率が最大3.11%であったのに対し、塩ビ管は最大81.8%であ ったと報告がされています。
今回の中越地震での液状化の被害から見ると、ヒューム管が重いこと=見掛け比重が大きいことが、ヒューム管の被害を少なくしている要因であると判断して良いと思われます。 |
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