昭和25年(1950) JIS A5303規格制定
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・昭和25年3月にヒューム管はJIS A 5303(遠心力鉄筋コンクリート管)としてJIS規格が制定された。
・管の種類は、内水圧のかからない場合に使用する「普通管」(今で言う外圧管)と内水圧のかかる場合に使用する「圧力管」(今で言う内圧管)の2種類であった。
・管の形状は、現在の規格の「A形管」のみで、継手はコンクリートカラーを使用している。
・管の有効長さは呼び径350以下は2000mmであるが、呼び径400以上は2400mmまたは2000mmとしていた。
・外圧試験のひび割れ荷重(キ裂荷重と呼んでいた)の定義は、管体に1/4mm以上、長さ300mmのキ裂を生じた時の荷重としていた。 |
昭和31年(1956) 改正
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・昭和31年の改正では、 (1)内圧管の種類が増加した。(2)呼び径125が追加となった。
・外圧強さを一部変更している。また、外圧強さのひび割れの定義が「ヒビワレはその幅が1/4mm(0.01インチ)になると,肉眼でもよく見えるが、・・・。このヒビワレが長さ300mmに及んだときの荷重をもってヒビワレ荷重とする。」と解説に記載された。
・管の長さは呼び径400以上では2400mmの1種類となったが、当分の間2000mm及び2430mmとすることができるとなっている。 この当時、管の長さについての議論があり、一部では長さ3000mm以上の希望も出ていた。 |
昭和37年(1962) 改正
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・昭和37年の改正では、呼び径400以上の管の長さが2430mmとなり、当分の間、長さを2400mmとすることができるとなった。
管の長さは、1956年当時は2400mmに統一していく方向であったが、既存及びその後新設の工場の製造設備及び型枠が2430mmであり、使用者側もその数値が一般的であったことから、実態に合わせている。
・呼び径1350〜1800の外圧強さが増加した。 |
昭和40年(1965) 改正
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・管の種類は「A形管」のみであったが、この改正で「B形」及び「C形」が追加されている。呼び径の範囲は、A形75〜1800,B形75〜900,C形900〜1800である。
・A形管の管の長さは、この時点で2430mmに統一され、「2400mmでもよい」が削除された。
・ヒビワレ荷重は、管体に0.25mmのひび割れが生じた時の荷重であるが、「普通下水道管路の鉄筋コンクリート管では、幅0.25mmのヒビワレがあっても鉄筋は容易に腐食しないことが数十年の実績から判明しているので、十分な限度として定めてものである。」と解説されている。 |
昭和47年(1972) 改正
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・普通管の外圧強さが1種及び2種に区分され、従来の外圧強さを1種とし、新たに高強度の2種が追加された。
・呼び径150未満が削除され、2,000〜3,000の特大口径の管が新たに加わった。
・内圧管は、1kg/cm2〜10 kg/cm2の8種類であったが、使用の実情に合わせて2K、4K、6Kの3種類のみとなった。
・ひびわれの判定は、従来0.25mmであったが、この改正で肉眼で発見できる限度の0.05mmに変更された。
・B形及びC形は昭和40年(1965)の改正で追加されたが、ゴム輪の規定はなかったが、この改正で、ゴム輪はJIS K 6353(水道用ゴム)の規定(普通管は2種3号乙、内圧管は2種2号乙)に適合するものと規定された。 |
昭和51年(1976) 改正
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・昭和51年の改正の目的は国際単位系(SI)の導入併記であり、外圧強さ及び内圧強さがSI単位の併記となった。 |
昭和54年(1979) 改正
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・種類の名称の変更が行われた。
従来普通管,圧力管となっていたのを外圧管及び内圧管にあらためた。
理由は、外圧に対して設計された管と内圧に対して設計された管であることを明確にするためである。
・2種管の呼び径の範囲は1000〜3000であったが、呼び径150〜900が追加となった。 |
昭和60年(1985) 改正
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・昭和60年の改正は、従来にない大幅な改正が行われた。
・管種の追加:
従来のA形、B形及びC形に加え、継手性能を大きく向上させたNC形が追加された。
・外圧強さの変更:
1種及び2種ともに、従来の外圧強さより1.1〜1.5倍程度高め、許容土被りを広くし、施工条件の変化などにも対応できるようにした。
・呼び径区分の見なおし:
B形とC形で呼び径がラップしていたが、B形が1350以下、C形が1500以上とすることで、製品の種類の整理統合が行われた。
・水道用ゴムの規格改正に伴い、使用するゴムの品質は外圧管はW類、内圧管はT類A・50となった。 |
平成2年(1990) 改正
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・平成2年の改正では、塩化物量の規制及びアルカリシリカ反応抑制対策が追加された。 |
平成5年(1993) 改正
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・平成5年の改正は、JIS A 5353 として別に規格があった「異形管」をJIS A 5303と統合した。
・SI単位への切替:SI単位への切替の予告をし、その規格値を定めた。
・NC形3種の追加:従来は外圧強さの区分は2種までであったが、より高強度の3種管を規定した。
・呼び径の整理:
A形管の呼び径を使用実績から1800までと縮小した。 |
平成12年(2000) JIS A 5372 制定
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・平成12年に個別製品規定を中心にしたこれまでのJIS体系を改め、基本・共通と製品群規格に統合・再編された。
・ヒューム管はJIS A 5372(プレキャスト鉄筋コンクリート製品)の中に位置付けられ、従来の規定の内容が附属書2に規定された。 |
平成16年(2004) JIS A 5372 改正
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・ヒューム管の規格は附属書2に規定されていたが、附属書3(規定)暗きょ類の推奨仕様3−2に規定された。
・外圧管にNB形(呼び径150〜900)が追加となった。
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平成22年(2010) JIS A 5372 改正
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・ヒューム管の規格は附属書C(規定)暗きょ類の推奨仕様C−2に規定。
・外圧管C形が削除された。
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平成28年(2016) JIS A 5372 改正
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・性能を強度から耐力にしたため、表現が改められた。
*「曲げ強度」→「曲げひび割れ耐力」
*「破壊荷重」→「終局曲げ耐力」
*「内圧強度」→「内圧耐力」
・性能を曲げ強度から曲げひび割れ耐力と変更になったため、数値、単位を変更した。運用上は、従来と変更はなし。
・曲げ耐力試験において、「ひび割れの状態を調べる。」という文章が「ひび割れの有無を調べる。」という表現に改められた。
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